企業等において電話対応は周辺業務ではあるものの、決しておろそかにすることはできません。外回りに専念しすぎたあまり大事な電話を取り損なうといった事態にでもなれば、ビジネスチャンスを逃がしてしまうおそれがあります。
こうした課題を解決するための手段となるのが、電話代行サービスの活用です。ここでは、そのサービスの内容等について紹介しています。
電話対応をアウトソーシング
現在、企業等が事業を運営するに際しては、さまざまな代行サービスが利用できるようになっています。清掃代行のようなオフィス内の雑用から給与計算等を含む経理代行のような根幹業務に至るまで、その内容は多岐にわたっています。
こうした代行サービスの1つに、電話代行サービスというものがあります。電話代行とは文字通り、企業等における電話対応業務を外部の専門業者に委託できるサービスです。つまり簡単に言えば何らかの事情で電話に出られない時、あるいは出たくない時に代わりに電話に出てもらえるサービスということになりますが、後述するように自分からかけるべき電話を代わりに発信してもらうことも可能です。
この電話代行は、代行サービス業の中では比較的長い歴史を持つ業種ですが、近年になって再び脚光を浴びるようになっています。これは、起業ブーム等の影響もあってごく少人数で新たにビジネスを興す個人や法人が増加していることが主な理由となっています。
こうした小規模事業所は、電話対応に必要な時間的あるいは人的余裕がないことが多いのです。
留守番電話よりハイレベルの応対
電話代行のサービス内容はそれぞれの業者ごとに異なり、またある程度のカスタマイズも可能ですが、おおよそのところは共通しています。一般的なサービスの場合、まずはオフィスの代表電話等に転送機を取り付けます。そして外出中や会議中など電話に出られない時は、転送スイッチをオンにしておきます。
すると、かかってきた電話は自動的に代行業者の許へ転送されます。電話を受けた代行業者側では、専門のオペレーターが対応します。その際、どのように名乗って電話に出るかはあらかじめ指定しておくことができます。つまり、たとえば依頼者の社名を名乗って「○○会社の誰それです」と言って電話に出ることも可能なのです。
その場合、電話をかけてきた方は相手方がその会社の社員かと思って会話を行うため、スムーズなやり取りが続けられるというメリットがあります。通話終了後、やり取りの経過は文字に起こされたうえで報告されます。以前はファックスで1日分、あるいは数時間分をまとめて報告する形式が多かったのですが、最近は電子メールで随時報告するのが主流になっています。
サービス内容はカスタマイズも可能
電話代行サービスの基本的な内容は以上の通りですが、業者によっては事前に打ち合わせを行うことでこれに各種のアレンジを加えることも可能です。その具体例としては、スケジュール登録を挙げることができます。これは、1日あるいは1週間といった依頼者のスケジュールをあらかじめ業者側に伝達しておくことにより、面会のアポ取り等をオペレーターに代行してもらうというものです。
この機能を利用すれば、依頼者は通話内容の報告を受けてから個々に折り返し連絡をするといった事後対応を行わなくてもいいようになります。
業者をまるで秘書のように活用できることから、このサービスを秘書代行と呼ぶこともあります。同様に、クレーム処理においてオペレーターが一次対応し、処理しきれなかった場合にのみ依頼者が二次対応を行うといった形式をとることもできます。
また、通話の内容が急を要する場合は、かかってきた電話をその場で依頼者の携帯電話や別の固定電話に再転送するというサービスを提供しているところも少なくありません。これを利用すれば、あたかも内線を回してもらう感覚で重要な電話だけに出ることができます。
営業電話も委託できる
電話代行には、こうした「電話を受ける」サービスの他にもう1つ、先にも述べた通り「電話をかける」サービスもあります。このサービスは、いわゆる営業電話の代行としてしばしば使われます。すなわち、依頼者から渡された顧客名簿等に基づいて電話をかけ、商品やサービスについて案内したり、購入や利用を勧めるというものです。
また、すでに商品を購入した顧客等に使用後の感想を尋ねるなど、市場調査に使われることもあります。このサービスは電話を一方的にかける場合のほか、顧客からの電話による問い合わせに応じたり注文を受け付けたりする場合とセットで利用することも可能です。
これは大手企業等の設置するコールセンターの業務とほぼ重なることから、コールセンター代行と呼ばれることもあり、調査会社や通信販売事業者などによく利用されています。
料金体系はどうなっているか
電話代行サービスの利用料金は、定額の月額制となっているのが一般的です。ただし、料金プランは1か月あたりのコール数に応じて何段階かに分かれており、超過分については追加料金がかかるというスタイルが採用されています。
たとえば1か月50コールまでなら5,000円、超過分は1コールにつき100円というプランがあるとすれば、対応した電話が50件以内であればその月の利用料金は5,000円、56件の場合は5,000+6×100の合計5,600円となります。
この料金プランは、深夜を含むかどうか、土日・祝日を含むかどうかといった、利用する時間帯や曜日によって異なる単価が設定されているのが普通です。さらに、コールセンター代行のように特殊なサービスについては、別のプランが用意されています。
また、業者の中には各種のオプションサービスを提供しているところもあります。
先に掲げた再転送サービスはその代表例ですが、他にはたとえば時間外にかかってきた電話に対するアナウンス、外国語の電話への対応などがあります。こうしたサービスは業者によっては基本料金の範囲内としているケースもありますが、そうでない場合は別途料金が必要となります。
料金について最後に付け加えるなら、業者の中には返金保証制度を設けているところがあるというのは利用を検討する際に覚えておいてよいことの1つです。これは、電話代行を利用してはみたもののサービスの質に満足できなかった場合は、その月の料金の支払いが不要になるというものです。
参照>>ビジネスアシスト … 秘書サービス - https://www.biz-assist.co.jp/